「20対80」という不思議な法則

2022-09-15 (木)

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当方の著書「誰も教えてくれない、経営の秘密。」でも、20対80の法則について書かせていただきました。不思議な法則だと思います。

 

上位20%のお客様で、売上全体の80%を占めるという法則です。

 

でも、実は、理美容室業界では、20対80にはならなくて、だいたい20対50になります。

 

なぜ、理美容室業界だと、20対80にならないかと言いますと、いいお客様でも、使う金額と頻度に上限がある業界だからだと思います。

 

 

1回で使う金額は、多くても5万円くらいが限度だと思いますし、さすがに毎日、理美容室に行く人も少ないからで、一人当たりの年間支払金額は、だいたい同じになるからです。

 

物販だと、品揃えの中に高いものがあったり、気に入れば、他の商品を同時に買ったりと、客単価に上限がない感じになるので、20対80まで近づいていくことになります。

 

そういう意味でも、理美容室でも、商品を売っていくことは大切なことになります。

 

先日、日本ファッションスタイリスト協会のあいざわ先生がスタイリングマップを指導されていて、その某美容室で、洋服の似合わせイベントが行われました。

 

ここでは、金額を言いづらいのですが、私の知っている限りで、1日で洋服を売った金額の最高額になりました。

 

こうなると、年間の購入・理容金額にバラつきが出てきて、20対80に近づいて、他の業界並みに利益を確保しやすくなると思います。

 

現在、美容室業界では、人口は減っているのに、美容室と美容師数が増えています。美容師さんを辞める方もいらっしゃいますが、それでも「業界全体」としては供給過多です。

 

売上が上がりづらいので、辞めざるを得ないというのが現実的なところかと思います。

 

でも、1店舗1店舗みて見れば、「人手不足」です。もっと美容師さんがいれば売上が上がって、お店が儲かるようになってしまっています。

 

だから、従業員さんが辞めない仕組みを作ることが大切になってくるのですが、当方は、その根本に、美容室業界特有の「20対50」の法則を「20対80」にしていくことが最も大切なことだと思っています。

 

 

そうでないと、給与を確保できない。

 

 

新人がジュニアスタイリストになって、育ってきているけど、固定客がつかない。だから、先輩スタイリストのアシスタントをする。

 

先輩もそれを見込んで予約を入れる。そうするとジュニアスタイリストは自分の客を取りづらくなるというループにハマって、若いスタイリストの売上が伸び悩む。だから給与が上がらない。

 

この良くないスパイラルを切る1つの方法が、物販に力を入れる。利益率は悪くなるが、利益額を増やしていく。そして、若い方々の給与に回すという考え方です。

 

これが業界全体でもっと広がると、美容室業界の利益額も増加するかと思います。

 

実際に、家計調査年報では、その他の美容商材の金額はじわっと増えています。

 

「同じ商品をネットで買われて大変」という人も多いですが、それなら、店の特徴を生かしたネットで買いづらい商品を開発したり、仕入れたりすれば良いのではと思います。

 

そうすると、お店に特徴が出るので、本業のカット・カラー・パーマの集客にもつながります。

 

当方は、お洋服でそのお手伝いをしておりますが、自分が好きなことをしっかり極めて、あきらめないで、それをホームページやブログ、SNSなどでしっかり宣伝して、ファンを増やして、もう一つの小さな柱を作って行ってほしいと思っております。

 

途中で諦めるから良くない。

 

諦めず、ずっと継続すれば、必ず、柱になっていきますから、ほんとに頑張って欲しいと切に思います。

 


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